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たからもの物語 [22] FIDM ファッション・ショー


2006年1月
 2006年、年が明けて始めて来たオーディションは、1月6日、なんと姉・ 弟、モノは違うのですが、午前と午後で、同じ日でした。
 でも、弟のGは、アトピーがひどく、「これは連れて行っても、時間と労力の無 駄・・・」だと思い、お断り。baby GAP だったんですけどねぇ。
 姉のJの方は、Microsoft のプリント仕事で、オーディション先で聞いたのですが、スタッフも、Microsoft の広告やパンフレットなど、何に使われる仕事は、分からないようでした。なので、ダメでしたが、ぜんぜん落胆せず(笑)

 1月半ばには、Jに Safeway という会社(ロスの地元では、Von's Market が、Safeway の傘下です)の全米CMのオーディションがありました。
 オーディションでは、「男の子、好き? 男の子にキスするのって、どう思 う?」と聞かれたそうで、娘は「ゲ〜、いやぁ!(>。<)」ってなリアクション をしたらしく、ダメでしたね(笑) ちょうど春くらいからでしょうか、たまに見ます、このCM。" Safeway. Ingredients for life...." とかがスローガンで、ロスでは Von's Market のCMとして流れています。
 オンエアのものを見ると、白人の女の子が、白人の男の子にチュッとキスをして います。それを見て「あ、このオーディションだったのね。だからキスするの がどうのこうのって、聞かれたんだ」と納得。ま、本人がキスをするのをイヤがったのでは仕事にならないし、本人の嫌なコトはさせたくないので、ね。

 2月になってすぐに、Jに玩具メーカーの Mattel のプリント仕事のオーディションが来ました。金曜日の夕方で、それほど遠い場所ではなかったので、Gにはギリギリまでお昼寝をさせ、子供二人を連れて行っ てきたのですが、私、金曜日の夕方のロスの中心部の交通事情を、なめていましたね(^^;)
 もう、すっごい渋滞で、ぜんぜん進まない。結局30分も遅れてしまい、途中で 事務所に連絡をして「今、どこそこで、遅れそう〜」と伝えたとき、「まだ、 大丈夫だと思うから、行って」と言われたのに、Jのコールタイムは、オーディション終了間際だったらしく、スタジオに着いたら、ガラ〜ンとして、もうス タッフ皆さん、帰られた後でした(涙)
 普通なら、20分で行ける場所に、なんと一時間もかかってしまったのですが、 あ〜〜〜ああ、せっかく行ったのにね。娘がモデルを初めて約6年、初めて オーディションに遅れて、受けられませんでした。
 Gのお昼寝を早めに切り上げれば、間に合ったのに・・・と思いつつも、Gだっ て、私の大切な子供。それでなくても、お姉ちゃんのJの都合で、あっちこっ ちに連れ回されているのだから、母心としては、ギリギリまでウチでお昼寝、させたかったのよねぇ。

 この Mattel のオーディションの数日後、今度はダウンタウンにある、有名なデザイン学校、Fashion Institute of Design and Merchandising のファッション・ショーのオーディションがありました。
 オーディション時間の終了間際に行ったのですが、オーディションに来た子供た ちの写真がダーーーッと、一つのテーブルに散乱してて、どんな子たちが来た のか見ることが出来たのですが、私が見た限り、大きなテーブル全体に広げられていた写真は、みんな白人の女の子たちばかりでした。なので、「白人ばっかを 集めるんじゃ、Jは、不利かなぁ?」と思ったのですが、この仕事、ゲット。

 去年、同じ仕事で落とされていたので、なんだか「リベンジ」で、嬉しかったで す。それにJは、お客さんのリアクションを感じられるショーの仕事、好きみ たいですし(^。^)

 そして2月10日より、トレノで冬季オリンピックが始まり、私も主人も、Jの 主演した GE のCM を見ることができ、本当に嬉しかったです。
 当初、このCMは、オリンピックから6週間のオンエアだと聞かされていたので すが、結局5月中旬までの13週間放送され、先日、このCMの放送が、また 3ヶ月延長になり、8月中旬までになったと知りました。うふふ<その分、放送印税が入るので、ほくそ笑んでいます。

 2月は、他にネッスル・チョコレートのCMオーディションがあり、これはコー ルバックが来たのですが、選ばれませんでした。
 どうやら、公園などで数人の子供たちが遊んでいるシーンらしく、Jは「すべり 台にいる有色人種の女の子役」でした。私的には、そういうCMなら、去年の First 5 California や、先日の GE のように、「主演」じゃないため、演技もそれほど求められず、アップなんかもないかも・・・と思うと、ダメでも、あまりショックじゃなかったです。まぁ、 ギャラ的には大きかったかもですが、親バカながら、娘には、きちんと演技をしなければならない役、つまり、外見だけで選ばれるのじゃない形で、仕事をゲッ トして欲しいと思っています。


2006年3月 FIDM ファッション・ショー
 3月2日、先日受かった FIDM のファッション・ショーが始まった。
 このショーは、FIDM の特待生のうち、さらに選ばれた12〜3人の生徒が、一年をかけてデザインした作品を、3日間、4ステージに渡ってファッション関係者たちにお披露目をす るという、この学校にとっての、年に一度の大イベント。
 ショーは、サンタモニカ空港のハンガー内に作られた特設会場で行われ、客席数 2500! 前にJが出たショーより、ずっと規模の大きい、ランウェイの長 い会場でした。

こ こで三分のビデオが見れます。雰囲気、わかると思います。

 私たちは、まず2日の木曜日、夕方の4時前に集合で、子供たちはリハーサルを 行いました。
 この日、リハーサル前に、スタッフたちから「まぁ、真っ青な大きな瞳が、すっ ごく可愛いわねぇ〜!」と、絶賛されていた出演者の女の子モデルがいたので すが、この子が、リハで、どうしてもステージに立てず、泣き出してしまい、その場で「帰らされていました」。で、さらに泣いていたようですが、ううん、シ ビアですねぇ・・・。
 ま、仕事っちゃぁ、仕事ですが、その子だって、まだ6歳くらいなわけで、大き な会場が怖くて、ランウェイを歩けなくて泣いてしまい、それでリハの進行が 遅れたとはいえ、「出来ないなら、他の子に換えるから、 Go home!」ですもん。
 他人事ながら、「これが初仕事だったのかしらん・・・? トラウマにならな きゃ、イイけど」と、心配しちゃいました。
 でも、男の子のモデルでも、一人、どうしてもランウェイを歩けなくて、即「ク ビ」で、違う子が呼ばれていました。
 どんなに可愛くても、大きなステージを歩ける度胸がなくちゃ、ショーは出来な いですもんね。っていうか、「歩ける」だけじゃなくて、観客に向かって笑顔 で手を振ったりすることも、求められるわけですから、ステージに立てないのでは、話になりません。
 その上、この日は、リハのあと、夜には一回目のショーのステージが控えていた のですから、すぐに仕事が出来るモデルが必要だったわけです。

   ショーが好きなウチの娘は、ニコニコと笑いながらランウェイを歩き、手を振り、投げキッスまでしてました(会場からは、「まぁ、可愛い〜」のどよめきが 起こってました<笑)

プライベートで は、絶対に着ないような、フリフリスカート姿 のJ。他の出演の子供モデルたちと


 翌3日は、午後に、Dunkin Donuts の全米CMのオーディションと、夕方には、Old Navy という服飾ブランドのプリント仕事のオーディションが入りました。
 でも、この日も、FIDM のショーがあり、それも夕方の5時からと、夜の8時からの2ステージという日。
  そこで娘のエージェントは、Old Navy は、行かなくてイイから、Dunkin Donuts だけ、ぜひショーの前に行って(だって、プリント仕事とCM、計りにかけたら、ねぇ〜、やっぱ、CMは、行ってよ)ということで、Jの Dunkin Donuts のコールタイムは、午後3時過ぎでしたが、学校を早退させて、オーディション開始時間の午後2時には行き、オーディションを受け、3時半には、ファッショ ン・ショーの会場入りというスケジュールをこなしました。

   Dunkin Donuts のCMは、母親も一緒のオーディションで、聞いていなかった私はびっくり。でも、娘と一緒に仕事が出来たら、楽しいかなぁ〜(+全米CMでっせ)と思った のですが、ダメ(;;)

 オーディションでは、「木登りのシーンを撮るんだけど、Jって、木登り、出来る?」の質問に、生まれてまだ「木登り」をしたことの無い娘は、正直にも、 「したこと、無い」と答えたのが、絶対に敗因だと思います。
 確かに、「木登り」はしたことの無い娘ですが、テーマパークなどに行くとある、ロッククライミング(ハーネスを付けて、岩をはめ込んだコンクリートの壁 を上るヤツ)に必ず登るほど、「怖いもの知らずで、高いところに登るのが好き」な娘。木に登ったことがなくても、絶対に大丈夫と思ったのですが、このオー ディションで「木登り経験は無いけど、ロッククライミングは得意です!」と、一言言わなかったことが、今でも悔やまれます。
 それを言っていれば、この仕事、ゲット出来たかも・・・と思うほど、手ごたえが良かったオーディションだったのですよ(ああ、残念!) ま、この日は、 もう、さっさとオーディションを済ませ、ファッション・ショーに行かなくちゃって気持ちがあって(このオーディション会場と、ショーの会場が、約1時間ほ ど離れた場所だったので)、集中出来なかったから、仕方がないですね。

 で、この日、ファッション・ショーの早い時間の最初のステージは、私が娘の付き添いをし、遅い時間は、下の坊やのベビーシッターさんの関係で、主人と交 代(私は坊やを迎えに行き、そのまま帰宅、主人がショーの方の娘の付き添いをする)と、夫婦でバトンタッチ。そして娘は2ステージを無事に終了したのでし た。
 初めて、目の前で、物おじすることもなく、大きなステージ上を、笑顔で手を振り、どうどうと歩く娘の姿を見た主人は、「あいつ、度胸があるなぁ〜。たい したもんだ」と、親バカながらに、しきりと感心(ー。ー) 娘は娘で、仕事の姿を父親に見せることが出来て、嬉しかったようです。
 翌4日の土曜日には、夕方に、私の両親の命日を偲ぶため、家族で花束を持ってマリーナに出かけ、海に花を放ち、そのあと、夜の8時からは、FIDM のショーの最終ステージに臨みました。
 この3日間、ショーの前にオーディションが入ったリ、主人と役割交代をしたり、ドタバタ、色々と大変でしたが、実は、ショーの会場のサンタモニカ空港 は、ウチから超近所で、一時間〜二時間かけて通っていた人たちには申し訳ないくらい、通うのが楽な仕事でした。

 三月半ばには、前に出演したヨロラ・メリーマウント大学の学生映画の、追加撮影があって、行ってきました。ラッシュを見た監督&スタッフが、Jのアップ があった方が映画が引き立つ、ということで、Jの出番とアップ、増えたようです(^^)    


 
 
----つづく----


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