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たからもの物語 [21] Jは GE のCM主演、G・初稼ぎ


2005年11月 J、GE の CM仕事ゲット!

 11月10日、大手企業 GE(General Electric)のコールバックがあり、その翌日、エージェントより電話で「Jって、日本語、しゃべれるよね? しゃべれれば、今回の GE の仕事、すっごく有利なんだって」と言われ、ワクワク度が高まる。
 そして週が明けて、今日か今日かと、エージェントからの朗報の電話を待つけれど、ナンの連絡もないまま水曜日になり、半ば諦めかけていたら、水曜日の昼 にエージェントより電話で、「ねぇ、GE の仕事、まだ最終決定が出ていないんだけど、もし決まった場合、今日の午後、ソニースタジオであるフィッティング(衣装合わせ)に、行ける? でもって、 撮影は金曜日なんだけど、大丈夫?」と、なんとも思わせぶりでもって、はっきりしない問い合わせが入る。

   あまりに急な展開に、目を白黒させながら「うん、大丈夫、ソニースタジオは近所だから・・」と答え、この仕事、当初は日本人の子供で撮る予定を、いった ん、アメリカ人の子供で撮影することに変更が入り、違う子供たちでオーディションをし、「日本人キャスト」にするか、「アメリカ人で撮るか」で、ギリギリ まで決定が出ないという話を聞く。
 「一時間以内には、結果が出るらしいから、いずれにせよ、また電話するわ」と言われ、もう、久しぶりにドキドキして待っていたのだけど、一時間たっても 連絡が来ず、2時間経過した時点で、私の方から事務所に電話・・・したら「まだ、先方からの連絡が来ないの。ちょっと待ってて、こっちから電話を入れてみ るから」と、エージェントもじりじりと待たされていたらしい。

 そして、私は娘のお迎え時間なので家を出たら(もう午後2時半です)、学校にいる時に、エージェントから電話で「J、仕事ゲットよ、3時45分にソニー スタジオに行って!」と、まぁ、慌ただしいこと。マジで、家がソニースタジオから近所で良かったです。
 衣装合わせには、下の坊やを連れてなんて行けないのはわかっていたのですが、運が悪いコトに、この前日に、息子のシッターさんのお兄さんが病気で亡く なっていて(合掌)、来週まで見てもらえないと言われていたので、仕方がない、主人に電話をして、「ねぇ、フィッティングの間、たぶん小一時間もあれば大 丈夫だと思うから、G君、見ててくれる? ウチに帰ってこれる?」と、ヘルプをお願い。
 急な展開に、主人も都合をつけて、急いでダウンタウンから帰宅して、下の坊やを見てくれることになりました。(こういうフレキシブルな主人の話しを読ん で、「キャズさんのご主人って、何をしている人?」と思われる人もいるでしょう。日系企業の副社長で、営業部のトップなため、会議やアポがない限り、時間 は、かなり自由なんです)

 そして行ったソニースタジオ。衣装合わせなので、本当に30分〜1時間もあればオッケーとか思っていたら、まぁ、着替えさせる、着替えさせる・・・。J はたぶん、30着以上、色々と着せられたと思います。
 「レトロルックにしたい」ってんで、古着みたいなのをたくさん着たあげく、「現代ルック・バージョン」とかで、また違う衣装をたくさん着せられ・・・。 着替えるたびに、ポラロイド撮影です。大人の私でも、あんなにたくさん服を取っ換え引っ換え着るの、イヤかも、と思うほどで、なんと衣装合わせに2時間! もかかりました。
 また、衣装合わせの最中にエージェントから電話があり、「明日Jが撮影なのはわかってるけど、明日の夕方、オーディションが入ったんで、時間が間にあっ たら、行ってくれる?」と。でもって、モノはクラフト・チーズの全米CMだって。あぁ、行かせたい!

 そして、どっぷりと日が暮れてから帰宅し、主人から息子を受け取り、私たちは、またまたお出かけ。6時15分からの娘の音楽教室に、ギリギリで間に合い ました。あぁ、運転手の母は、大変です〜。


マリブの海岸でのロケ

 そして翌11月18日の金曜日、朝からマリブの海岸でロケがありました。
 あれだけ衣装を取っ換え引っ換えやったのに、当日になったら、また違う衣装になっていました(昨日の2時間は、ナンだったんだぁ〜〜〜〜〜〜。)
 そうそう、この仕事のスタイリストさん、ディズニーの仕事もしている人で、昨日衣装合わせに行ったら、「あら、Jじゃない。久しぶりねぇ〜。マァ、大き くなって」と言われました。で発覚したこと。ディズニーの仕事、数年前にプロデューサーが変わったんだって。どうりでここ2年、ディズニーから声がかから なくなったわけだ、と、いきなり来なくなったディズニーの仕事の謎が解けました。

 この撮影、監督さんが Joe Pytka という人で、スタッフの人たちから「変わり者だから、ビックリするかもしれないけど、アメリカCM界の巨匠だから」みたいなことを聞かされる。で、実際、 本当に「変なヒト」で、ここでは詳しいことはあえて書きませんが、うん、マジで「偏屈、変人」でした。でも、娘に言わせると、監督さんは優しくて、楽しい 撮影だったそうです。    

 
撮影が終わったあと、監督さんに抱かれて記念撮影



 また、この監督さん、子供たちの父兄が撮影現場の近くによることすら許してくれず、カメラ撮影は禁止・・・だったらしいけど、私はそのことを知らなく て、遠目ですが、数枚、撮影の最中を写すことができました。それを見たスタッフが、顔色を変えて走って来て「そこのママ、だめだめ、カメラはしまって!」 と怒られちゃったけど・・・私的には、記念の写真を撮れて、ラッキ〜(^^;)

 
マリブの海岸でのロケ風景



 そして、この撮影から3ヶ月後、2月10日から始まったトリノの冬季オリンピック開催時より、GE のCMのオンエアが始まりました。今日、この「たからもの物語」を書いているのは2月23日で、私自身は、もう5回、オンエアを見るコトができました (^^)
 ウチの主人とも話していたのですが、本当に、自分の人生で、これほどオリンピックの開催が待ち遠しかったことは、ありませんでした。もう、世の中のオリ ンピック好きな人とか、参加選手の友だちや家族と、まったく違う意味で、「オリンピックが待ち遠しかった」のですが(笑)
 そして、娘の出た、このCMを初めて見た時、本当に嬉しかったです。撮影時、遠目でしか撮影の様子が見えず、主演だったとはいえ、最終的に、どのような カットになっているか不安だったし、ハリウッドでは、撮影をしても、オンエアにならず、オクラ入り・・・なんてコトも、多々ありますから。

   このCM、世界中でも流されるかも知れないと言われていて、また、娘のセリフは、日本語でも撮影しているので、そのうち日本でも、放送されるかも知れま せん。
 でも、その前に、このCMは、GE のウエブサイトでも見れるので、こ こに行って見てやってくださいな。(英語のセリフが、撮影の時と違っているので、娘の声は、吹き替えですが)
 ちなみに、英語でのナレーションでは、「問題が大きく育つ前に見つけるのが、GE の健康コンセプトです。なので、ドクターたちが早期に問題を発見でき、治療できるように、より優れたペットスキャンなどを開発しているのです・・・」みた いなコトを言っています。だから、生まれたての恐竜を発見した子供たちが、それを捕まえる・・・という、物語仕立てのCMになったようですね。

 結局、この日のロケは日没まで行われ、行かせたかったクラフト・チーズのオーディションは、時間が間にあわず、行けませんでした。オーディション会場 が、ウチから3キロほどの場所で、すっごく近かったから、時間さえ合えば、さほどの苦労もなく、撮影とオーディションの「ハシゴ」が、可能だったの に・・・(ちと、残念)←Jも、撮影後、帰宅までの一時間ちょっと、車内で寝ていたので、オーディション、行きたがっていたのですよ。ま、次の全米CMに 期待しましょう。


G君、「初稼ぎ」

 さて、今度は1歳2ヶ月になったG君のお話。
 息子の「初稼ぎ」でもって、「初仕事」じゃないってのが、微妙なトコで(笑)

 ちょうどJのロケが終わった週末から風邪をひき、鼻水小僧で、風邪をひいて抵抗力が落ちたため、またまたアトピー復活のG。で、あご、ホッペのほか、ま ぶたまで赤くなってしまってた状態で、事務所から「明日、撮影、行けますか?」の連絡・・・。なんと、もう2週間以上も前に受けた Baby Style のプリント仕事(2006年・春のカタログ)の仕事だという。
 「ええっ!(どうしよう・・・) アトピー復活で、とても撮影なんて、行けないわ・・・」と相談をしたら「あ、でも、Gはバックアップだから、気軽に 行って来れば?」と言われ、「じゃぁ残念だけど、こんな状態で撮影なんて、行ってもダメっぽいから、時給稼ぎで行って来るか」と、火曜日にマリブの海岸ロ ケへ。

 お昼過ぎのコールだったので、現場で私はチラッとランチを頂き、子どもと一緒に小一時間、海岸沿いで遊んできました。
 最低2時間保証の仕事のうえ、バックアップもギャラは同じだったみたいで、何もせず、ランチを食べて、息子と遊んで一時間、ギャラだけ($200)稼い で来ました(笑)
 またまたアトピー復活で、仕事どころじゃないですが、ううん、こういう風に、何にもしないでギャラだけもらうのも、アトピーという現実を考えたら、美味 しかったかも?と思っています。
 お金のためじゃなく、子どもの姿を雑誌やカタログで見たい・・と始めた子どものモデル仕事ですが、上の娘のキャリアも、もう6年、今は、どれだけ仕事が 子どもの将来(大学の学費など)に役に立つのかが大切になってきているので、下の子の活躍も見たいのは本音ですが、アトピーっ子じゃ、ギャラを貰えただけ で大満足って感じです(笑)

 でも、ホント、息子のモデル・デビューは、いったいイツになるのでしょうねぇ〜(はぁ)。

 11月の終わりには、J、また学生映画の撮影がありました。今回は、ロヨラ・メリーマウントという大学の映画科の学生映画。主演のキャラクターの子供の 頃の役で、いくつかセリフもあり、お父さん役の人に突き飛ばされたりして、熱演、していました。
 マジで突き飛ばされて、ドッターンと、大きな音がしたあと、監督さんの「カット!」の声がするや否や、スタッフ全員、「Jちゃん、大丈夫???」と、駆 け寄ったほどです。
 「痛たたたぁ」と言いながらも、「J、大丈夫よ」と笑顔の娘に、役者根性を見ました<親バカ

 
ロヨラ・メリーマウント大学の学生映画、Sparkler の撮影中、メークを直してもらうJ



 このあとJ、12月にはMervyn's というデパートのCMと、Verizon という大手電話会社のCMのオーディションがありました。
 Verizon の方はコールバックが来たのですが、Jは求められていたキャラクターじゃなかったみたいで、ダメ。このCMは、演技が必要なものではなかったらしく、コー ルバックでも、子供4人と、大人1人が一緒にスタジオに入り、顔のアップと横顔を撮られただけだったというので、それこそ、CMでは、チラッと顔が映るっ ていうものだったと思います。そういう場合は、本当に、演技うんぬんは関係なく、顔のインパクトで決まるので、どうしようもありません。  


  ----つづく----

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