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Baby Model Story
たからもの物語 [4] TARGET

4月下旬・TARGET(全米規模の百貨店)
さて、私の仕事前の充電期間にゆっくりしようと思っていた4月は、Jの仕事で大忙しの一月となっていた。「ふーっ、今月は突然、どたばたしたなぁ」なんて思いながら、迫るゴールデンウィークには日本から家族が来るので、「また、忙しいわね」なんてカレンダーを見ていたら、4月26日の昼過ぎ、エージェンシーより電話。
「Jって靴のサイズ、3だったよね?」「ええ、そうですよ」「だったら、今から夕方の4時半までの間に、行ってください」って、TARGET のオーディションが入った。
TARGET というのは、まだ日本に進出していないかも知れないけれど、全米では有名な庶民の味方の百貨店。デパートの高級感はないけれど、品揃えは豊富でお値段も手頃なお店。日本のダイエーとか、イトーヨーカドーって感じ?(ただし、生鮮食料品は置いてない)。今回は、そのTARGET の全米中の店舗内にディスプレイされるポスター/パネル用のモデルのオーディションだ。
「ええー? 今から?(@@)」って思ったけれど、オーディション場所が我が家から数分の場所だったので、ほっ。だって水曜日はJの Gymboree という、歌とエクササイズのクラスがある。だからこの日は、その前に銀行に行って、Jの初ギャラ(4/18に受け取った。アメリカでは普通、小切手でもらう)を入金するために、J名義口座を作りに行く予定が入っていたのだ。だけど、運がいいことに、そのオーディション場所が銀行に行く途中。もし遠くなら、Jのおけいこを休ませなくちゃだから、一瞬心配した。

会場のスタジオに行くと、もうそこは撮影現場になっていて、セットもスタイリストなどのスタッフも揃っていた。いきなり「Jだね。」と名前を言われてびっくり。お約束のポラロイド写真は撮ったんだけれど、Jの名前やサイズなど、いつもなら書き込まなくてはならない書類も必要なく、スタッフ側はJのエージェントからの写真(先日私が、事務所に持って行ったやつ)をすでに持っていた。そして、スタイリストさんが、Jに革靴をはかせる。「あ、靴のサイズ、聞かれたもんなぁ・・・」と思う。
その革靴、確かにサイズは3で、Jにはちょうどいいのだけれど、たまたま厚手のソックスをはいていたJには、きつくて、なかなかうまくはけない。私、気持ちは「シンデレラの義理の姉達(ガラスの靴がきつすぎて入らないのを、無理にはこうとする)」(^^;)。
でも、スタイリストさんがタイツのような薄いソックスにしてはかせてみたら、ちゃんとはけて、それをプロデューサーさんがチェック。「まぁ、この子はなんて可愛いのっ!」のリアクション、そして「撮影、明日だけど大丈夫?」の質問に、かなりの手ごたえを感じた(^^)v。
そして夕方、Gymboree のクラスを終えて帰宅すると、エージェンシーからの電話が入っていた。TARGET の仕事、来ました(^^)。撮影は、翌日の午前10:45、場所は同じスタジオ(近所)。

当日、スタジオに来ている赤ちゃんはJともう一人、マッキャーラちゃんという、白人の可愛い女の子だけ。かの有名なエージェンシー、 Fに所属だそうで、まだ若くて、見るからに気の強そうなヤンキー・ママは「この子にテレビコマーシャルでもやらせて、年収2ー3万ドルを狙ってるのよ」と鼻息も荒い(^^;)。この日のスタジオ・ティチャーは、たまたま前回のディズニーの時と同じ人だった(Danny)。そしてわかったのは、なんとマッキャーラちゃんも、この前のディズニーの仕事をしていたってこと。彼女は午後の撮影分だったから、Jとは会わなかったのだ。
そして撮影なのだけれど、アンビリーバボーな事態発生。なんとスタイリストが、Jのサイズに合う服を用意していなかったの。確かに、「靴を中心」のショットを撮るということだけれど、まさか裸に靴ってワケじゃないんだから(^^;)。「これ、着れます?」と、持ってこられた服は4歳児用のもの。。。。「無理でしょぉ、いくらなんでも(4歳ようだよ)?」と、眉をしかめる私に、スタイリストとプロデューサーは、「せっぱ詰まってるのよ」と、顔面蒼白状態。「TARGET で買った服で、秋物で、この子が着れる服、持ってますよ。」と言うと、「車に積んでるの?」(んなワケ、ないだろ〜)だから「ウチ、ここから2マイルしか離れてないの(=取りに行ってこれる距離よん)」と、助け舟を出してあげた。
で、本当にJを連れていったん家に戻り、服を何パターンか持ってスタジオに戻った。だからこの撮影、靴とソックスだけ用意されたもので、着ている服は自前@TARGET 商品(笑)。良かったわ、ウチが高級有名ブランド品しか買わないタイプじゃなくって(爆)。

テストショット。扇風機の風に飛ばされそうです(^^;)。本番では、風、押さえられてましたけど。


この日の撮影は2時間で、$250(一時間$125)。Baby GAP の時のように、親を閉めだしての撮影じゃなくって、「ママ」がカメラマンのアシスタント状態の撮影だったので、私は髪の毛をゴムで束ねて、上着を脱いで、タンクトップでJの前に膝まずいて、カメラマンに「ママさん、 こうして、あ〜して」って、リクエストされながら「働かされた」(汗)。
で、撮影が終わって、帰り支度をしていたら、マッキャーラちゃんも帰るところ・・・。ン?。スタッフとの会話を盗み聞きしたら、何とマッキャーラちゃんは、Jのバックアップだったんだそうだ(@@)。あんなに可愛い白人の赤ちゃんを差し置いて、Jがプリンシパル!(嬉) ものすごく、誇らしかった。
「バックアップで撮影をしなかったので、ギャラは半額になりますから・・」って、スタッフが言ってるのが、聞こえたのでした。。。自宅に服を取りに行ったり、スタッフのごとく動き回ったり、私には大変な撮影だったけれど、Jの大きく伸ばされた写真は全米の TARGET Store に4か月間も飾られるそうだから、良かった良かった(^。^)。あ、あと撮影で使ったソックス、もらいました。


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