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Baby Model Story
たからもの物語 [3] ディズニー

J 10か月。体重約9キロ、身長約74センチ。一人で30秒くらい、立てるようになりました。



4月中旬・ディズニーの撮影
ディズニーのオーディションが終わった金曜日、エージェンシーからは「Jの写真が終わりそうだから、大至急、新しい写真が必要です」との電話が入っていた。特に赤ちゃんの場合は、表情の変化が激しいので、「顔つきが変わったら、新しい写真を作ること」と、親(モデル側)の義務として、エージェンシーからは言われていた。
「そっかぁ、Jがエージェンシーに入ってから、もう3か月近いんだ・・。エージェンシーに入るとき、20セットの写真を用意したから、3か月弱でそれを使いきっちゃったのかぁ(ということは、オーディションに実際に行く前に、色々と写真選考用に、Jの写真は使われていたってことだ。Tommy Hilfiger は、選考に残ったからわかったけどね)。」なんて思う。で、週末、最近写したJの写真の中から、いいなと思う写真を3枚選んで、カラーコピーを20部ちょっと、作った。
そして明けての月曜、再びエージェントから電話で、Jが先日のディズニーのオーディションに受かった知らせ(^^)。ただし、今回は「バックアップ」とのこと。要するに、メインで選ばれたモデル(プリンシパルと呼ばれます)の「代役」。なんたって、赤ちゃん相手の仕事だから、本番(撮影)の時にメインモデルの調子が悪い場合のために「代役」も選ぶんだそうで。撮影現場でプリンシパルが泣いたりしちゃったら、代わりに写されるから、そうしたらギャラは時給が125ドル、何もしなかったら、その半分と言われる。でも、ギャラより何より、Jの写真がディズニーのカタログに載るほうが嬉しい(ー.ー)。エージェントは、「現場で他の赤ちゃんのお尻でも、つねれば?(そうやって、泣かせば?)」なんて言ってたけど(笑)。ま、今回Jは「バックアップ」かも知れないけど、仕事は世界のDisney 。充分、嬉しかった(^^)。

で、Jの撮影日は二日後の水曜日、5/12と、その次の水曜日、5/19の2日間を押さえられました。ところが、この5/12、またまた私の技術通訳の仕事がハリウッドで入っていて、かなり「(@@;)」だったんだけれど(子細は、独り言 KAZ's Journal をご覧ください)なんとかクリアー。そして撮影当日だけれど、この日は朝の8時45分にバーバンクのワーナースタジオに行かなくちゃで、家を7時半頃出発。ぐっすり寝たままのJを、車に積んで(笑)スタジオに向かった。私は仕事で色々な撮影スタジオに行っているけれど、セキュリティのチェックはどこも厳しい。ワーナーブラザーズももちろん厳しくて、スタジオ駐車場で撮影の「物(=ディズニーカタログ)」とJの氏名を告げ、看守が確認して、スタジオ入場パス(Jの名前が印刷してある)をもらって、初めて入れる。生後10か月のくせに、ワーナースタジオのパスをもらったJ。「こぉんなに、ちびちゃいくせに」と、笑いが出た。

今回の撮影は、オーディションのとおり、ハロウィン用のコスチューム。前回 Baby GAP の仕事で一緒で、このディズニーのオーディションでも会った Carson 君も来ていた<彼は、プリンシパルだった@プゥーさん。
待ち時間に、スタジオ・ティチャーに聞いてみた。こういう「バックアップ」と言うのは、決まったプリンシパルの代役なのか、それとも、誰でも、調子が悪い赤ちゃんの代わりをするのか。すると彼は、手元の資料を見ながら、「いや、みんな決まってるよ。Jはねぇ・・・コスチュームは Eeyore で、ハドレィのバックアップだよ」との返事。次の瞬間から、「どの赤ちゃんだ、そのハドレィって?」と、プリンシパルを捜してしまった(爆)。
この日、来ていた赤ちゃんモデルは8人。見渡すとJ以外は、全員白人。上の娘もディズニーのモデルをしたという、2人の子持ちママいわく、「ディズニーってね、ほとんど白人モデルしか使わないのよ。有色人種って、全然少ないの。あなたの赤ちゃんは、本当に選ばれた子なのね。」と言われる。そっかぁ、ディズニーのイメージじゃ、白人の青い目・金髪なのかなぁ〜、J、よくそんな中に選ばれたもんだ、と、ちょっと驚き。と同時に、ハドレィちゃんって、本当に可愛いクリクリの青い目に、金髪で、お人形のような赤ちゃん。(なんでJが、この子のバックアップなの?超不思議と思ったよ<汗) 撮影時に泣いたりしたならともかく、私でもあの子の方がいいかも(おお、親とは思えぬ発言!)ってくらい愛らしい子。今回はJ、だめでもしょうがないねぇなんて、なんてけっこうあっさり諦めてた。プラス、ハドレィちゃんも、Jと同じモデルクラブ所属と発覚。そのうえ、彼女も Baby GAP をやったんだって(Jとは、撮影時間が違ってて、会わなかったけど)。モデルのママ達も、お互い知り合いの人も多くて、「けっこうハリウッドの赤ちゃんモデル世界、狭いのか?」と思った。
さて、撮影だけれど、ハドレィちゃんはちゃんと仕事をこなし、Jの出番はなかった。2時間撮影所にいて、Jのギャラは、プリンシパル・モデルの1時間分のはずだったんだけれど、向こうの間違いで、プリンシパルの2時間分=$250もらえた(!)。こういう間違いは、あえて指摘しない私、黙ってサインして帰りました(笑)。

そしてこの日の午後、私の通訳の仕事先がハリウッドだったので、帰りにJのエージェンシーに寄って、先日作った写真のコピーを持っていった。そこで気がついたこと! Jのエージェンシーって、なんか凄いかも(^^;) 
広々としたロビーには、それは美しい若者達が、それぞれ、自分の写真を持って座っている。今風のカッコいいアメリカ人達だ。なんだかみんな、おしゃれはしてるんだけど、そんな格好とは裏腹に緊張しているのが見て取れる。「をぉ、彼らは、モデルの卵達かぁ〜」つまり、Jのエージェンシーと契約したい(面接=オーディションに来ている)若者達だった。
そんな若者達の前を通って、受付のおネエちゃん(これまた、流行の GYM の受付嬢みたいに、ヘッドセットして、おへそを出したぴちぴちシャツを来てる)に「娘の写真を持ってきたんですが・・」と言うと、鳴り続ける電話のスイッチボードを操りながら、ちょっと待ってのサイン。なんか、むげな扱いっぽい?(^^;) しばらく受付嬢の前で立ちすくむ私。。(私、ビジネススーツを着てるとはいえ、かなり場違い<汗)
しばらくして「あなたの赤ちゃん、ウチの所属?」って聞かれたので、「ええ、今日は撮影もあったので、voucher (仕事をした証明書)も持ってきてます」と言うと、" Oh, good! OK." って、いきなりフレンドリーな笑顔で、すぐに奥に通してくれた。
なんか、全然まえもってリサーチもせずに、教えてもらったエージェンシーってことだけで写真を送って、あっさり入れちゃったけど、ここってひょっとして、モノ凄くいい事務所?って思って、帰宅してネットで調べたら、歴史も古く、ウエストコーストで最大のエージェンシーだった(@@)。知らなかったとはいえ、Jはなんて凄いところに所属できちゃったの!? どうりで、来るオーディション、メジャーな仕事ばっかりなわけだ。
つくづく、そんなエージェンシーに入れた(選ばれた)こと、ラッキーだと思った。同じ仕事をするのなら、小さな事務所よりも、大きいところの方がいいに決まってる。
いつも電話でしか話したことのないエージェントと会い、写真を渡す。「今日の撮影、どうでした?」って聞かれたので、プリンシパルが問題なかったから、Jは現場にいただけ、でも、全額もらえたよ、と voucher を渡すと、エージェントは「J、服を着替えたり、テストショットもされなかったの?」「うん、なんにもしなかった」と答えると、ニコッと笑って親指を立てた(この人も、あえて指摘しないタイプらしい<爆)。
「Jのプリンシパルのハドレィも、ここの所属なんですね。Carsonも」と言うと、「そう、ウチもかなりの数の赤ちゃんを Baby GAP と、このディズニーのオーディションに行かせたんだけど、受かったのは両方とも、あなた達3人だけ。グレイトよ」だって。

GE(General Electric )のテレビCMオーディション
翌日、ディズニーの撮影の待ち時間で、他のママさん達とお喋りしていて、「来週も撮影、あるよね?」と聞くと、誰一人「うん」と言わなかったのが気になって、エージェントに確認電話をいれた。すると、Jの撮影はちゃんと押さえられたままで、次の撮影はJ、プリンシパルだってことが判明っ! もう、そういう嬉しいことは、ちゃんと伝えてよね。じゃぁ、撮影のときに調子が悪くなかったら、Jの写真が載るんだわ(^^)。と、とってもママ・ハッピィ〜。
でも、実際の撮影時間の連絡が来ないまま、前日の18日、エージェンシーの「テレビ・フィルム部門」の方(印刷モノとセクションが分かれている)から「19日のテレビCM」オーディションの連絡が入った。「ウチの娘、その日、プリントの方の撮影で押さえが入ってるんですけど・・・」と言うと、エージェンシー内で連絡を取り合って確認。結局Jの19日のディズニー撮影がキャンセルとなったので、テレビCMのオーディションに行くことになった。ものは GE(General Electric=とっても大きい、家電メーカー)。
オーディションには、「おしゃぶり」と、「カーシート」を持ってくるように言われた。そういうシーンが必要なんだろうけど、Jは、おしゃぶり派じゃなくて、指しゃぶり派(^^;)。おしゃぶり与えても、手で持って、ガチガチ、噛んじゃうんだろうなぁ・・こりゃダメでしょうと思いつつも、そうしろというオーディションじゃ、仕方がない。当日、車からJのカーシートをはずして、Jが乗ったままの超重いシートをえっちらおっちら、オーディションに持ってった。(会場が、エレベーターの無い地下一階で、私の腕の筋力が、試されました<涙)。

オーディション会場には、東洋人と黒人の赤ちゃんと、ママ役の20代後半くらいの女性(東洋人&黒人)が集まっていた。しばらく待っていたら、この前のディズニーのオーディションで会った、東洋人と白人のハーフの双子が、パパとやって来た。「あぁ、こんにちわ。この前も会ったよね」と、私を見て挨拶するパパに、私ったら、にこにこして「ええ」と答えてワンクッションおいてから、小さめの声で、" She got that job.(私の娘、あの仕事、受かったのよ)" なぁ〜んて言っちゃったわよ、悪魔(爆)。そのパパ、「そりゃ良かった」なんて言いながら、内心は穏やかじゃなかったはず・・。
で、Jの今回のオーディションだけど、ヤッパリおしゃぶりはうまくいかなくて、カメラを見て、いつものようにきゃっきゃと喜んで笑っていたのだけれど、今回はそういうのが求められていたわけじゃない。案の定、連絡はなかった<だめってこと。でも後日、出来上がってオンエアされてるこのCMを見たら、白人の男の赤ちゃんで、Jよりもずっと小さい赤ちゃん、多分6か月くらいの子が出ていた。。。ってことは、あの会場にいた東洋人 or 黒人っていうCMコンセプトは、白人に変わったってことね。

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